ココロもカラダも包み込んで……|相川華美

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ココロもカラダも包みこんで/相川華美

親友だと思っていたユナが酔った勢いで「あたし、ビアンなの」と打ち明けてきた。女性が女性を好きになっても良いんだと思った楓は、エッチしたい時しか会ってくれない彼とユナをついつい比べてしまう。ランジェリーショップ店長のユナは、好きな女性がいるが叶わない恋をしていて、寂しさを埋めるため色んな女性と関係を持っていた。それを知った楓はジェラシーを抱き恋心だと気づき「身体の相手なら私がする」と言ってしまい……
抄録

「何!? 説教しに来たの?」
「違う」
「じゃあ何よ」とイライラしているユナ。
 私は深呼吸をする。こんなことを言ったら、ユナを傷つけるかもしれない。
 だけど、これ以上ユナが色んな人と身体だけの関係を続けて欲しくない。
「身体の相手なら私がする。だから、好きでもない人としないで。大切にしてほしいの」
 じーっと私を見つめてくる。
 睨み付けてるようにも見える。
「相手なんか出来るの?」
「親友だから、大切な親友だから、尚更……出会い系なんてしてほしくないの。女性とするなんて……はじめてだから分からないけど、お願い。ユナは、私の大切な人なの」
「分かった」
 ユナは私の前に立ち、顎を持ち上げる。
「楽しませてもらう。楓をめちゃくちゃにしてやる」
 鋭い目で私を見てくる。
 不思議とその言葉が嫌じゃなくて興奮している自分がいた。
「……欲情……出来る?」
「うん、身体だけならね。大地には言うんじゃないよ、悲しむから」
 そう言って、私の唇に吸い付く。
 下唇を丹念に舐めてくる。
 唇を丁寧にゆっくりと、唇で愛撫をしてくる。
 ——柔らかい。
 ユナの甘い香りが、私の熱をドンドンあげていく。
 ゆっくりと、舌が入ってきて、コーヒーの苦い味が入り込んでくるけど、ユナの舌使いに味なんて分からなくなって、頭がクラクラした。
 長くて甘い、とろけそうなキス。
 意識が朦朧としたところで、唇が離れた。
「ねぇ、楓。あたしの好きな下着を身に着けてくれる?」
「えっ」
 薄暗い店内。
 見渡すと下着ばかり。ランジェリーショップだから当たり前なんだけど、その環境にドキドキしてしまう。
 今までに経験の無いエッチ。
 動揺しながらユナを見ると「できるの?」とでも言いたそうな目。
「い、いいよ……着る。どれ」
「いい子」
 嬉しそうに、少し意地悪な表情を浮かべ店内を歩くユナ。
 カツカツとヒールの音が響く。
 ユナが持ってきたのは、水色のスケスケなベビードールとレースの紐パンティ。
 さすがに、こんなの着たこと無くて恥ずかしい……。
「更衣室で着替えて。出来たら声かけて」
 言われるがままに私は着替える。
 鏡に映る自分があまりにもエロい格好で恥ずかしい。
 ユナって、過激。この前の綺麗な女性ともこんなことしたのかな。
 ギュッと重たいヤキモチが私を襲う。
 ユナ、私の身体だけに狂って——。
「出来たよ」
 そう言って、カーテンから顔を出す。
 カーテンをシャーっと開けるユナ。私の姿が露になった。
 ユナは腰に手を当てながら、上から下へと視線を動かす。
 それだけで、感じてしまう自分が恥ずかしい。
 意地悪な笑みを浮かべ「似合うじゃん」と言ってくれる。
「あ、ありがとうございます」となぜか敬語になってしまった。
 私を鏡の方に向ける。
 髪の毛をかき上げ、耳たぶを噛んでくる。
 耳が弱いのをすぐに気づいたようで、何度も耳を苛めてくる。
 耳から首筋へとキスが落ちてきた。
 右手は、私の太ももを行ったり来たり。
 ゾクゾクして、だんだんと荒くなる息。
 ユナの責め方って、凄く気持ちイイ……。
「ねぇ、楓。どうして、ここ、こんなに浮き出てるの?」
 ベビードールからは、くっきりと浮き上がりが見える。
 恥ずかしくて、言葉にならない。
「楓ぇ……、ねぇ」
「……ンッ」
 だんだんと激しくなる指の動き。
 ガクガクと震えだす太もも——……。
 下に手が伸びてきて、探ってくるユナ。
 慣れてる……。もう、誰ともしないで……お願い。
「いけない子。売り物の下着なのよ。汚さないでよ」
「……ご、ごめん」



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ココロもカラダも包み込んで/相川華美
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著者プロフィール

相川 華美(あいかわ はなび)

中学生の頃から恋愛小説を執筆。2008年よりネットで公開。
書かせてもらえて今、とても幸せです。
らぶ甘で、切なくて、キュンとするじれったいストーリーが好きです。
人が皆違うように、恋愛も様々。色々な愛の形を書きたいです。
著書に『Bodyコンプレックス』
作家ブログ(外部リンク)


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