「レミ、この前、エッチしてたでしょ?」
「へ?」
二人で買い物をしているとき、カオリは急にあたしの服を引っ張り立ち止まった。
あたしとカオリは初めてご飯に行ってからというもの、二日に一回ぐらいのペースで遊んでいる。
お茶したり、買い物したり、カラオケ行ったりと、普通の友達以上に一緒にいた。
「何言ってんの? そんなわけないじゃん」
「嘘だ。レミ、エッチな声出してたもん。あたしには分かる」
「何それ…もしかして、妬いた?」
バカ…とカオリに流されると思ったのに、カオリの口から出た言葉は予想外のものだった。
「妬いた。てか、ムカついた」
口を尖らせてあたしから目を逸らすカオリ。
本当に?
ヤキモチやいてくれたってこと?
怒った様子のカオリを見て喜ぶあたしは、カオリの怒りを高ぶらせてしまったようで、カオリはあたしを睨むように見つめた。
「ねえ! 今から二人っきりになりたい」
「…へ?」
「ホテル行こう」
嘘でしょ? カオリがそんなこと言い出すなんて。
でも真剣な顔を見ていると、冗談でしょ、なんて笑い飛ばせるような雰囲気ではなかった。
「レミはストレート? 私はビアンなの。レミは私のこと嫌い? 嫌なら無理強いはしないけど…」
「嫌じゃない!」
…あ。あたしってば即否定しちゃったよ。カオリのこといいなって思ってたのはあたしの方。
でもまさかカオリがビアンだなんて思ってもみなかったけど。
カオリとなら…エッチしてもいい。未知の世界だけど、カオリとなら。
「じゃ、決まり。行こう」
「うん。でも女の子同士で入れんの?」
「男同士はダメなトコ多いけど、女の子同士は問題ナシ」
…そうなんだ。
あたしの方が年上なのに、カオリの方が慣れててリードされっぱなし。
カオリが選んだホテルはまだオープンして間もないような綺麗なホテルだった。
ホテルの部屋もカオリが決めてくれて、あたしはカオリに連れられるままエレベーターに乗り込んだ。
「レミ、緊張してる?」
余裕のあるカオリの表情に何だか複雑な気持ちになってくる。あたしは全然余裕ないのに、カオリはこういうのに慣れてるみたいだし。
「全部私に任せてくれたらいいから、安心して」
美しく調ったカオリの顔が近づいて、軽く触れるように唇同士が触れた。
唇に移された熱は、離れたあともまだ熱くて、あたしの体全体へと伝わっていく。
キスだけでこんなに高揚するのに、これ以上のことをしたら、あたしは壊れてしまうんじゃないかと不安と期待に揺れた。









